AVATAR感想(ネタバレ3%)

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AVATARのストーリーは大したことない。」と耳にしてから観に行ったが、そうはおもわない。

あの巨大なブルドーザーが最強だと思うんだが、そこは掘り返さないようにしよう。

まずは、映画史の新しい扉を開いてくれたキャメロン監督に大いなる賞賛を。

私もこれまでいくつもの映画を観てきたが、やっぱり長く・強く心に残る作品というのは、キャスティングと脚本がマッチしているものだ。その点AVATARは内容が薄っぺらいとか、お決まりのパターンだとか思った人が多いんじゃないだろうか。私も思った。

それでもAVATARという作品はすばらしかった。

それは、3Dというこれまでにない世界で、その世界観を存分に表現する構成であったこと。

そして、その世界観に観客が浸る余地を作っていること。

せっかくの3Dも、ロケーションによって良くも悪くもなることがこの映画でよく分かった。
AVATARではパンドラという舞台をこれでもか、これでもか、というくらい大きく使ってストーリーが進んでいく。

森や滝、空や海、それらは奥行きを持ち、より一層、現実世界とリンクしやすい世界を作り出した。
その反面、手前でごちゃごちゃ動くシーンなど(兵士がパンドラに一斉に上陸するところとか)は、とても疲れる。
映像の情報量が頭の処理量を完全に振り切ってしまったかのようになる。これは体感して初めて気づいた3Dの特徴かもしれない。

冒頭の「ストーリーが大したことない、なんておもわない」というのは、3Dの世界を余すところなく伝えることがキャメロン監督のストーリーだったという私なりの結論から。

3Dを観て感じたことはもう1つあって、鑑賞後に内容を伝えるのは簡単だけど、映像を伝えるのはとても困難だということ。

頭の中で3Dのシーンを思い返しても3Dのあの記憶は、ないのだ。
観たはずの映像が脳にはダウングレードして記憶されている。「単純な脳、複雑な「私」」にもあったように、脳というのはいいかげんだな、と実感した出来事だった。


本作において、たった1つダメなところを挙げるなら「メガネ」くらいか。

レンズもフレームも特注だから仕方ないとは思うのだけど、160分ものあいだ、あの重さのメガネを着用するのは辛かった。目頭にはくっきり跡が付いてしまうし、耳も痛くなった。メガネはどんどん改良していってもらいたい。
3Dで泣ける映画を上映した場合はどうなるのか?ハンカチで涙を拭うたびにあのメガネを着脱しなければと思うとメンドクサイ。そもそもメガネをしてる人はどうしたのだろう?メガネ on メガネだったのか。

まとめると


  1. AVATARは、すごい。

  2. すごいのは3Dの世界をリアルに体感できるところ、AVATAR鬱になるほどの映像。

  3. AVATARのストーリーは単純、だけど、つまらないことはない。

  4. ストーリーが単純なのは、映像の情報量がケタ違いなことから、伏線張りまくり、複雑な設定、では3Dの体感度を削いでしまうから。(キリッ)


方々で話題になるだけのことはあった。
これから3Dが主流になるならなるで「3D映画入門」としておすすめだし、
こけたらこけたで、「金輪際味わえないであろう3D映画」としておすすめ。


「そのうち家でも3D見えるようになるはず」と思うこと無かれ。
来年それが実現したとして、あれだけのスクリーンの大きさ、スピーカーの性能はなかなか。

メガネ料金+300円も「未知の体験」へのチップだと思えば、高くはない。

今からでも遅くはない。

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