つまみ食え -書評- 新書がベスト



見ろ、dankogaiがまた本を食ってるぞ!


本書「新書がベスト 」は、著者自身のブログで「栄養価が高い」「滋養がある」など、まさに糧としての読書を地でいく小飼弾氏の本の本。

ベスト新書というレーベルから本書を出版するあたり、遊び心も忘れてない。こんな不惑に私はなりたい。


目 次:404 Blog Not Found:「新書がベスト」重版御礼+書名索引Web版より引用

序章 生き残りたければ、新書を読め
(1) なぜ今、本を読まなければならないのか 
(2) 新書以外は買わなくていい 
Part I 新書の買い方、読み方
(1) 読書レベル0からの【初級編】
(2) なんとなく読めはじめてからの【中級編】
Part II 新書を10倍生かす方法
(1) タイトルから本の出来を測る
(2) ダメ本も味わう
(3) 疑うことを楽しむ
(4) 洗脳されずに自己啓発本を読む
(5) 話題の本とは距離をおく
(6) ジュニア向け新書はこんなに楽しい
(7) 複数の著書を同時に読む
(8) 本で得た知識を活用する
(9)「超」整理法で本を整理する   
(10) ウェブを使って、本を読む
Part III 新書レーベルめった斬り!
新書スタイルはここから生まれた「岩波新書
じっくりと時間をかけて仕上げる「中公新書
社会派老舗の風格「ちくま新書」
目の付け所が光る「光文社新書
新書ブームをつくった「新潮新書
クリーンヒット率の高い「幻冬舎新書
節操のなさが強みでもある「PHP新書
すぐれた海外翻訳モノ「ハヤカワ新書juice
科学系新書の元祖「ブルーバックス
カラーと図版の勝利「サイエンス・アイ新書」
ハズレ率の驚異的な低さ「DOJIN選書」
右寄りと左寄りで好対照「集英社新書」「文春新書」
コンセプトが迷走?「講談社現代新書」「講談社+α新書」 
事情はわかるが紛らわしい「角川oneテーマ21」「角川SSC新書
大人こそ読みたい「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマー新書
元祖「ライフハック本」「宝島新書」 
かくも楽しきニッポン文化「平凡社新書
実用知識をユニークな構成で見せる「新書y」
スゴ本、ダメ本 玉石混淆の「青春新書インテリジェンス」
ルポが光る、新聞社系新書「朝日新書
エコとエロが共存する「ベスト新書」
IT好きにうれしいラインナップ「アスキー新書」
派手なグループの地味なレーベル「ソフトバンク新書」
今後が楽しみ「マイコミ新書
終章 新書と電子ブックの未来
コラム
(1) 文字だけの本とコミックの違い
(2) 英語圏での本の常識
あとがき
【巻末】ジャンル別 逆引きINDEX


p17.情報は「プル」してこないと意味がない
今や情報はあっという間にコピーされて広まり、すぐに陳腐化するようになりました。

バカの壁」でいうところの、「万物は流転するが、情報は流転しない」ということを考えると、日々移り変わる時代において、流転しない情報をため込む行為は、日々移り変わる自分というものを腐らせてしまうことになりかねない。「情弱」になりたくなければ、流れてくる情報を掴みにいかなければならない。そして、それは読書においても然り。

p37.最初の10冊を意地でも読み通す
「何だ、読書なんてこの程度のことなんだ」と実感できるようになってほしい。

読書を、習慣にするには、「本を読まなければいけない」という意識を「たかが読書」という意識にすることです。最初の10冊を意地でも読み通すことは、その意識を目覚めさせる手っとり早い方法だと思います。

p44.信者になるな、読者になろう

書いてあることを鵜呑みにすると立派な信者になれるのは、私自身の経験則。前述したように「鵜呑み」は「プル」したことにはならないので、注意が必要です。丸呑みしてしまうと、ミソかクソかの判断もままなりません。また、同じテーマを扱う本を複数読むと、そのテーマの気づかなかった側面が発見できることは読書の醍醐味だと感じています。

どうすれば「脱・信者」できるのか?

ちゃんと答えは本書の中に。

p72.洗脳されずに自己啓発本を読む

を、ご覧ください。


Part III 新書レーベルめった斬り!」では、p.100~183をどかんと使って、各レーベルの楽しみ方、召し上がり方を紹介している。食べたいものを食べたいときに索引できるこの章は、まさに「新書版クックパッド」である。

めった斬りの名の通り、ずばっと斬られてぶしゃっと血が出てるレーベルも多々(笑)。

次に書店を回るときは、このレーベル評を参考にしたい。
私の最近のイチオシは「角川oneテーマ21」で、背表紙に「本書のテーマ」が載ってあるので、目的に沿った本を見つけるための工夫がうれしい。

実践!多読術」なら、「読書術」
手作り弁当を食べてる場合ですよ」は、「生き抜く力」
というふうに。

「10冊で思考が、100冊で生き方が変わる」という本書の副題は、まだ1冊目を読んでいる人には「なんのこっちゃ」かもしれないが、10冊読んでおそらく気づくことがあると思う。

「読みたい本が増えてる」ということに。

本は本を呼ぶ。

これは、衝突弾面積、いやいや、衝突断面積が確実に広がっている証拠であり、ここまでくればあなたも立派な「本の虫」だ。

本も食材も、あなたの血となり肉となります。しっかり噛んでいただきましょう。

食べたい本が見つからないのであれば、本書をかじってみるのもいいかもしれません。