大河ドラマの醍醐味には「演者の成長」がある

やっぱり、中井貴一ですね!

「忠盛という男、そして父。」中井貴一インタビュー:大河ドラマ「平清盛」
あるドラマの制作発表の待合室に2人でいたとき、「次の大河ドラマの話がきているんですが、大役だし、長期の作品だし迷っています」と相談されました。ぼくは間髪入れずに「やれ!」と言いました。
ぼくが『武田信玄』(1988年放送)をやったのは25歳のときでした。そのときの自分に比べると松山くんのほうがずっとしっかりしているし、不安がることは何もないとも言いました。
そして最も重要なのは、1人の人物を1年かけて演じることのできるドラマは大河しかない。自分が平清盛になるのか、平清盛が自分になっていくのかわからないけど、歴史に名を残した人が自分にのりうつってきたときに、必ずその人から教えてもらうことがある。それは、役者・松山ケンイチではなくて、人間・松山ケンイチに大きな影響を与える。実際にぼくが武田信玄という人から人間として教えてもらったことが山のようにある。人間として成長できるかどうかという面においても、大河ドラマをやる意味は大きい、って。


大河の主役という大役に不安を感じた松山ケンイチに、「やれ!」と間髪入れずにいえる豪胆さ。そしてそれが、松山ケンイチの糧になると考えてのことだということ。この人には、計り知れない父性を感じます。

松山ケンイチが、この平清盛で人間として練られて大きくなっていく様を見るというのは、同世代の私にとっても学ぶべきことが多くありそうです。
そしてこういった見方も、1つの楽しみ方かもしれませんね。