大人だから楽しめる?ガンダム00(ダブルオー)考察

ガンダム
それは日本アニメ業界に君臨するビッグタイトルの1つ。

ガンダム
それは、「親父にもぶたれたことないのにっ!」「坊やだからさ」など名ゼリフジェネレータとして強いインパクトを与え続ける作品。

ガンダム
それは、勧善懲悪ではない「それぞれの主張」を軸に展開する人間模様に、広くは現実の世界との対比だったり、狭くは自分の思想を重ね合わせる事で「楽しむアニメ」から「考えさせるアニメ」へと昇華された作品。

ガンダム
ひと言ではまとめきれないくらいのストーリーと歴史を築きあげ、今なお止まることなく続いている作品に今、私はハマっている。



それが、最新作「ガンダム00(ダブルオー)」である。
現在は、2ndシーズンの中盤あたりまで来ており、1stシーズン(全7巻)と2ndシーズン(3巻)がブルーレイディスクが発売されるなど調子のいい本作だ。
機動戦士ガンダム00 1 [Blu-ray]

監督である水島精二は本作の他にも、『ジェネレイターガウル』『鋼の錬金術師』『大江戸ロケット』などで監督を務めている。

監督としてもかなりの実績を残している水島氏であるが、あるインタビューでガンダム制作への思いをこう表現していた。
「正義」への欲望が「匿名の正論」を暴走させる
ガンダムを“作る”ことは、作り手には「リスク」が大きい
 今、ガンダムを作ることは、作り手にとって「リスク」が大きいんです。「ここまでメジャーになったタイトルは、それ故に、自分の自由には作れないだろう」というふうに、作り手側を身構えさせるところがあるのだろうなと

ガンダム=面白くて当たり前、という視聴者を満足させるには並大抵の覚悟では引き受けられないという思いを強く感じる言葉である。

なぜ、ダブルオーを見始めたのか?
ガンダムならなんでも見る人とは違って、私の場合「面白そうなら見始めて、つまらなくなったらもう見ない。」なタイプなので、1話目が始まるまでに興味が出なければ見始める事は無かっただろう。

インターネット放送という福音
案の定、1話目を見逃した私のモチベーションは下がり「2話目からは見たくないな・・・」と思い始めていた。
しかしインターネットというものは素晴らしく、1話目を見ることができたのだ!(しかも無料)
それで息を吹き返したモチベーションは途切れることなく現在まで継続中だ。

しかし、ここまで続いているのは単に1話目を見ることができた。というだけではない。

やっぱり内容が大事
アニメは好きな方だが、何でも見るほど雑食でも無く、ダブルオーの前作にあたる「ガンダムSEED(種ガン)」は、ノータッチだ。
内容が大事と言いながら、内容を知らないので何とも言えないが、初めの段階でこのアニメは「受け付けられない」という結論が出てそれ以来見るのをやめてしまった。

作品の内容と映像の質は反比例しているのか?
最近では、アムロが出る「ガンダム」、カミーユが出る「Zガンダム」などが、リマスター盤として再発売される傾向をみていると、「再販するくらいだから昔のガンダムの方が面白い。」と思ってしまうが、たしかにその傾向はあるにせよ、すべてがそうであるとは思わない。そして、シーズン2まで見続けている私の見解を述べるなら「ダブルオーは面白い!」である。

今から1stシーズンを見始める人もいるかもしれないので、ネタバレになりそうな事は書かないが、1stシーズンの作品紹介だけかいつまんで書いておこうと思う。


西暦2308年、人類は地上のあらゆるエネルギー資源を枯渇させていた。
そこで人類は新たな資源、そして無限のエネルギーを持つ太陽光を手に入れるべく動き出す。
世界は人革連、UAE、ユニオンの3大勢力がにらみあいを続け、各国はあらゆる場所で太陽光発電紛争を繰り返していた。
その終わり無き戦場<ゼロサムゲーム>を武力介入によって根絶する為、武力集団ソレスタルビーイングが活動を開始する。

まずこの世界観と設定が分かりやすくて、入り込みやすいのが特長だと思った。
ソレスタルビーイングの目的意識にもブレがなく、敵味方の概念ではなく争いを無くすための行動をしている事で、他の3国との色合いが違うところで今後どのような展開が待っているのかに興味が湧いたし「目には目を、歯には歯を戦略」とでも言えるくらい愚直な目的は正しかったのか?間違っていたのか?という所でも楽しめるんじゃないかと。

ハイビジョンがもたらしたハイクオリティな戦闘シーン
人間同士の心理描写も楽しみではあるが、これが、私の中では一番大きいかもしれない。
地上デジタル放送の恩恵により、ハイビジョンで放送しているダブルオーのその戦闘シーンのクオリティときたら・・・秀逸です。
機体のカラーや質感、飛行している時の疾走感まで「作り込んであるな。」と
関心するほどディティールにこだわりを感じた。
機体同士がぶつかりあう音、爆発音、飛行音などサウンドに関しても違和感なく入ってくるのでこの点もgood◎。
そして戦闘シーンに欠かせない、BGM。
ソレスタルビーイングがミッションを開始するときのBGMはかなりテンションが上がります、もう最高に好きですね。
ただ、逆に敵側が優位になっているときのBGMもハマりすぎてドキドキしますが・・・。

過去を背負う主人公達
ソレスタルビーイングの武力介入の主軸であるガンダムを操るパイロット、「ガンダムマイスター」が本作の主人公になっていて、刹那、ロックオン、アレルヤティエリアの4人がそれにあたる。
ガンダムマイスター」の資格を得るのは面接なのか、筆記なのか、実技なのか。それは分からないが、4人全員に共通しているのが「過去を背負って生きている」ということ。太陽光発電紛争によって大きな影響を受け、その過去が現在の彼らの行動理念となっているわけである。

それはシーズン2になっても変わらず続いている。

明るくはない未来
1stシーズンの1話目から現在(2ndシーズン「 第16話 悲劇への序章」)まで見てきたが、明るい要素が無い。皆無では無いが、明るい要素さえ伏線になってしまうので実質無いようなものだ。
で、そろそろEDを意識したりするわけですが、最後はHappyEnd♪とはなりそうにありません、それは「戦争根絶」を掲げるソレスタルビーイングの未来は自己否定も入っているから。と、考える訳で。
この辺り、ガンダムWの最後に近いものがあるのかもしれません。

まとめ

気になる事は山積みで、毎週30分(実時間20分強)ではもどかしい気持ちも山積みになっているダブルオーですが、単なるアニメとしてだけでなく、考えさせられるアニメになっていると思うので、見ていない方はご覧になってはどうでしょうか?

ガンダム00 ファーストシーズン

ガンダム00 セカンドシーズン