書くために読んだ本 書評 - すぐに稼げる文章術


文章力を磨くこと。

日垣さん曰く、
「最もローリスクでハイリターンな自己投資」

書評ブロガーは必見だし、過去の記事を読み返して、いまひとつ楽しくないと感じているすべてのブロガーにオススメできる1冊。
p.10
本来最優先して考えなければならないことは、「どう書くか」より、文章が「どう読まれるか」ということのほうです。

誰もが予想できるような文章はスルーされる。

うまい・わかりやすい・魅力的な文章を書ける人というのは、「書く」以上に「読む」人。

日垣さんしかり、弾さんしかり、梅田さんしかり。


本書でも多くの本が紹介されている。
本書自体が「書評本」ですらあるといえる。

ブログに書評を書き出していくうちに、「書くことを前提とした読みかた」という姿勢が身についてきたように思う。それは「観察力の受け皿」ができてきた証拠でもある。
アウトプットの回路を作る(p.132)に書かれていた言葉だ。

何かが上達し、うまくなるという領域に入るためには、最低10,000時間を要する。
10,000時間というのは膨大で、毎日3時間かけても9年間になる計算だ。

これについては、情報考学 Passion For The Future」の橋本大也さんも類似した意見を述べている。
ブログは1000記事を超えると何かが変わる
毎日テーマが1つあるのがいいです。実世界でなにも達成できなかった1日でもブログは残る。積み上がる。1日1記事で年間365記事。少なくとも何らかの思考のログが残る

彼もまた、「書く以上に読んでいる人」の1人だ。

この時点で『すぐに稼げる』なんていうのは夢物語じゃないのか?と思ったあなた。

正解ですが、間違いです。

なぜなら本書には、今日からでも使えるノウハウもあれば、これからの積み重ねで活きてくるノウハウもある。2つの解を含んだ本だからです。

最後に、本書の難点を1つあげるとするならば、本書だけでは満足できないところかもしれない。

それは、『第7章 文章で稼ぐための必読33冊』の存在。
年間300冊を読む著者が「必読」なんてつけた日には「読んで」みたくなる衝動から逃れることができない。紹介された33冊のうち、私が読了していた本は『ウェブ進化論』だけだ。本書については本ブログでも書評したが、日垣さんの12行の紹介文(p.203)のほうが「買いたい」と思ってしまうのが悔しい(笑)。