まだ耳は本気だしてないだけ - 書評 - 脳が良くなる耳勉強法

目は口ほどに物を云う。


そして、

耳は目ほどに物を見る。

これも、また然り。


本書「脳が良くなる耳勉強法」は、優秀な器官であるにも関わらず、普段、アイドリングしっぱなしな「耳」を使って、「すきま時間」を有効活用することで、脳を刺激し、勉強の効率を高め、さらに速読までできるようになる、夢のような耳勉強法を解説した一冊。

目次(amazon
第1章 私たちは五感で勉強している
何のために勉強するのか? / 勉強の「4つの要素」 / なぜ聴覚が勉強の役に立つのか
第2章 音で脳の個性を活かす
脳の個性を活かす勉強法とは / 脳の機能を知る / ディスレクシアに学ぶ脳の学習プロセス / 自分の得意な感覚を生かす
第3章 耳勉強法を始めよう
耳勉強法とは「聴覚マネジメント」 / 耳勉強法 5つのメリット / 〈耳勉強法の基礎知識〉オーディオブックの種類・聴き方・テクニック
/ 言語能力を鍛える耳勉強法 / すき間時間マッピング」で耳勉強の時間を見つける / 耳勉強法の達人たち
第4章 耳勉強法を実践しよう
MP3プレーヤーを手に入れよう / オーディオブックサービスを選ぶ / ソフトウェアを揃える
付録 著者がおすすめするオーディオブック

p70.リーディングは学習しなければ身につかない
リーディング(文字を読んで言語として理解する)という行為は、生まれながらに備わっている能力ではありません。一方、リスニング(音声を聞いて言語として理解する)という行為は、生まれながらに備わっています。

読む。ということ自体が鍛えられ身についた能力であるのに対し、
聴く。という能力は生まれたその瞬間から身についているもの。

産声をあげた日から、耳からインプットされた情報が、脳を刺激し、脳を鍛えていることを考えると、リスニングには相当なアドバンテージがあります。

しかし、今の私のライフサイクルを思い起こすと、耳はかなり「すきま時間」だらけです。

そこで、私は一念発起し、本書の著者である上田さんの立ち上げたオーディオブックサイトFeBeで、オーディオブックを購入し、朝の通勤時はもちろん、昼休みなどの「すきま時間」を見つけて耳へのインプットを増やしてみました。

購入したオーディオブックはこちら。


始めたばかりのころは、一字一句聞き逃すまい、と神経を集中して聞いていたのですが、疲れました。これでは長く続かないと思ったので、BGM程度に聞き流そう。くらいの気持ちで聴いていました。

さすがにこれでは内容はあまり残らないかと思っていたのですが、反芻してみると意外と思い返すことができ驚きました。
これは、音楽を聴いていて、聴いているうちに歌詞が覚えられる感覚に似ているな、と思いました。
記憶の定着度でも、リーディングは文字・内容であるのに対し、リスニングはそれに音が加わるので、より定着しやすく思い出しやすいのかもしれません。

さらにすごいのは、自分の中で興味のあることをより多く覚えていることにも気づきました。本書でいうところの「カクテルパーティー効果」が発揮された瞬間でした。この効果がどういったものかは、是非本書で確認を。

耳勉の面白いところは、本だと1回読み終えた本は、再読するまでに間隔を開けないと読む気が戻ってこないんですが、BGM程度で聴いていたオーディオブックは、繰り返しても苦痛がありませんでした。しかも、iPodにいれておけば、何十冊もの本を同時に持ち運べるわけですから、荷物にもならないところも嬉しいです。

404 Blog Not Found:百聞は実は五十見にしかず - 書評 - 脳がよくなる耳勉強法
「耳勉強法」の最大の利点、それは「勉強感」が大幅に軽減されることである

英語も読書も続かないのは、たぶんこの「勉強感」を肌で感じるからではないか。


購入した勝間さんのオーディオブックは、ご本人の声で朗読されていることもあり、著者が直接自分に語りかけているような感覚になります。
また、著者=朗読者の場合、その人の話し方のクセが分かってちょっと楽しいです。ちなみに、勝間さんのクセは基本早口で、にも関わらず、乗ってくるとどんどん早口になるところです。それでも十分聴き取り易かったですが(笑)

速読と同じように、速聴できる人向けに、FeBeでは倍速版というものが用意されています。
ダウンロードしたファイルはmp3だったので、フリーソフトを使えば、自由に音のピッチを変えられます。

[を] 脳が良くなる耳勉強法
この本を読むまで知らなかったのですが、オーディオブックって iTunes で再生速度変更できるのですね。

自宅で耳勉な人は、iTunesから直接聞くと、融通も利くみたいですね。

耳の処理能力をナメていました。
それと同時になぜもっと耳を使ってこなかったんだ!と、すこし悔しくもなります。

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「耳勉」していたころにiPodがあったら、今よりもっといろいろなものが身に付いていただろう。最近の若者がうらやましい。いや、まじで。

どうやら耳勉は早く始めるに限るみたいですよ。

さぁ、耳に本気ださせるなら、いまです。