細かい話は霧の中 -画評- ミスト

大嵐の翌日。湖に突如現れた霧が、町を恐怖で包み込む。パニックSF作品「ミスト」を観ました。

「悪魔を見た」を私に奨めた友人からの紹介だったのですが、色々楽しめました。

ツッコミどころ満載で。

ミストが発生した理由

  1. 別惑星と地球をつなぐ扉をつくる研究をしていた
  2. 扉をつくることに成功
  3. あちらの世界からモンスター襲来

扉ってどんな原理でできてるの?

ドラえもんのどこでもドアのような事なんだと想像するが、一体どのような技術でそれを実現したのか。たとえば化学式をもとに、高出力エネルギーを浴びせると、一部の空間に歪みができて、別次元へのショートカットができる。とか、なんでもいいので、その原理が欲しかったし、そうする理由(資源目的・移住目的)もないと、実験しました、怪物出ました、ウワー逃げろー!では、浅く感じてしまう。

子どもを助けに1人出ていった女性はなぜ無事だったのか

霧の中には、無数の地球外生命体がいるはずなのに、単身霧の中に消えていった女性は、ラストシーンでピンピンしてる。その後、果敢に男たちが出ていくが、みんなすぐ襲われてたんだけど。蚊型の生物に襲われた時も、刺される人と、刺されなかった人がいたことから、特定の条件では襲われないという設定があればより楽しめたんですが。

なぜ霧の中しか被害が出ないの?

霧の中でしか生息できないというのなら、霧を取っ払えばいいじゃない。

「襲来してきたのは未来の人類!」な展開を期待してた

SF映像を手掛けている会社が作るとロボットも近未来的に。総重量2トンの乗用多脚ロボット「マンティス」 : カラパイア

今日日、これほどの完成度なら、10世紀後には兵器、兵器までいかずとも、「重機」として量産されている可能性もありうるんじゃないか。未来人が侵略してきた理由は、資源枯渇にともなう奪略という全米が泣く超展開はどうだろう。

ウォーキング・デッドに出てる役者がいっぱい

ウォーキング・デッドを見ていたので、俳優陣のデジャヴ感に、ちょっと驚きましたが。 フランク・ダラボン監督が、この映画とウォーキング・デッドに関わっているからですね。監督が気に入った役者を別の作品で起用するのはよくある話です。三谷幸喜さんの映画とかまさにそう。

一山サイズの怪物をどう倒したの?

大きさでいえば、宇宙戦争で、人間を捕獲して回る怪物の数十倍はあろうかというレベル。

1番気になる部分の解決手段の描写はなしに、主人公の超バッドエンディングで幕を閉じます。

色んな疑問や、詳細が気になる部分がうずまいて、モヤモヤした霧がずっと頭に残ります。

そういう意味で、「ミスト(霧)」というタイトルどおりの映画でした。