親から子へ、つながるバトン -書評- 子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方
忙しい新米お父さん、お母さん必読です。1時間もあれば読み終えられるボリュームもGood!:D
本書「子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方」は、「ああすれば」「こうならない」子どもへの接し方を今一度見つめ直し、子供の成長に欠かすことのできない「自己肯定感」の重要性を平易な文章と分かりやすいイラストで解説した一冊。
目次:子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方より引用
- 1.子どもが幸せに育つために、いちばん大切なこと
- たとえお金や学歴がなくても、「自己肯定感」があれば幸せを感じることができます
- 2.親からの最高の贈り物
- 「自分のいいところも悪いところも、みんな受け入れられ、愛されている」これ1つ伝われば、子どもは輝きます
- 3.手のかかる子は、とってもいい子です
- 4.やる気の土台となる自己肯定感を育む8つの方法
- 1 スキンシップ
- 2 ご飯を作る 一緒に食べる
- 3 一緒に遊ぶ
- 4 泣いたらよしよしする
- 5 子どもの気持ちを酌んで言葉にして返す
- 6 子どもの話を聞く
- 7 絵本を読む
- 8 子どもをまるごとほめる
- 5.子どもをほめる、宝探しの旅へ出よう
- 今すでにある、いいところ、がんばっているところを見つけていく
- 6.ほめ方その1
- できた1割をほめていけば子どもはぐんぐん元気になります
- 7.ほめ方その2
- やらないときは放っておく。
- やったとき、すかさずほめるのがいいんです
- 8.ほめ方その3
- 「どうしてこのくらいできないの!」が、「あら、できたじゃない」に変わる魔法があります
- 9.ほめ方その4
- よその子と比較するよりも、その子が、少しでも成長したところを、見つけていきましょう
- 10.ほめ方その5
- こんなタイプの子は、時には、失敗をほめましょう
- 11.ほめ方その6
- 「ありがとう」は、最高のほめ言葉です
- お金や物を与えるほめ方には、注意が必要です
- 12.「もっと叱って育てたほうがいいんじゃない?」の落とし穴
- 叱るより、ほめるほうが有効な理由
- 1 子どもの心の成長にいちばん大切な、自己肯定感が育まれる
- 2 ほめることによって、親子の信頼関係が作られる
- 3 ほめるほうが、叱るよりも、よい習慣が身につきやすい
- 4 叱りすぎると、失敗を隠し、ウソをつくようになる
- 5 叱られる恐怖心がなくなったとき、ルールを守れなくなる
- 13.それは本当に叱るべきことなのでしょうか?
- 1 まだ、わかる年齢になっていない
- 2 親にとっては困ったことだが、人に迷惑をかけるほどではないこと
- 14.よい子に育てようと思ったら、親がまずよいことをしていくのです
- 15.叱り方その1
- 叱るときは、子どもを止めて、目を見て、短い言葉で
- 16.叱り方その2
- 大好き!が伝わるための、3つの大切なこと
- 1 人格ではなく行為を叱る
- 2 ちゃんと理由を伝える
- 3 「~してはダメ」よりも、「~してね」
- 17.叱り方その3
- この一言を添えると、注意を受け入れやすくなります
- 18.叱り方その4
- 「あなた」メッセージではなく、「わたし」メッセージで
- 19.叱り方その5
- 子どもは、言っても言っても同じ失敗をするものです
- 叱らないで、よくない行動をやめさせる方法
- 20.どうしてもイライラして叱ってしまうとき
子どもを育てるという事は、いったいどういうことなのでしょうか。
能力・才能を開花させる事でしょうか。
しつけ・ルールを正しく守らせる事でしょうか。
私も人の親となり、育児について考える機会が増えましたが、これまで明確な答えを出せていなかったように思います。
本書では、能力でも、しつけでもない、「自己肯定感」こそが育児には必須であると書かれていました。
「言うことを聞かない子どもを、どう叱ったらいいでしょう?」という問いに、著者は、本書の冒頭でこう語っています。
「子どもの叱り方を学ぶ前に、まず、ほめ方を学ぶ必要がある」ということです。
ほめ方が上手になれば、それだけで、叱ることが減ってくるのです。
「ほめる」とは、子どもを評価することではありません。
子どものがんばり、成長を見つけて、その喜びを伝えていくことです。
「叱る」とは、子どもに腹を立てることではありません。
子どもが、自分も他人も大切にできるように、1つずつ教えていくことです。
たとえ能力が優れていても、自信がなければそれを発揮する事ができないように、能力も、しつけも「自己肯定」の土台なくしてしっかりと根付くことは難しいのです。
ほめることも、叱ることも「親子で気づきを共有する」ことであるという意味において、対極ではないなと思いました。
また、ほめる叱る以外にも、「受け入れる」という大事な要素があることも忘れてはなりません。
子どもが常に答えを求めているだけではないことを強く認識させられました。
本書にもあり、我が家でも実践していることをいくつか紹介しておきます。
子どもにして欲しいことは、親もする(挨拶、片付け、読書、早寝早起きなど)
自分ができていないことを人にやれというのは、育児に限らず筋の通らないものです。
まずは自分から、の気持ちで実行していることを子どもは見ています。
「背中で語る」ではないですが、私が読書をしているところを見ていたのか、私から本を奪い、ぱらぱらとページをめくったりして遊んでいます。
要求のハードルを下げる
これに関して私は、ハードルを下げるどころか、ハードルがありません。(今のところ、と付け加えておく事にします)
「期待していない」と書くと、冷酷な親のようにとられるかもしれませんが、子どもと向き合うときは真っ白な画用紙のように何も求めず、「この子は、いま、何を考えているのだろう」とか「何を求めているのだろう」のような、「探究心」で接しています。
こうすると、すごく小さな変化を敏感にキャッチできて毎日何かを掘り当てたような充足感があります。
さいごに本書はこう締めくくられます。
否定の連鎖から、肯定のリレーへ
いまこうして自分が自分を好きでいられるのも、両親が私の自己肯定感を育ててくれたからなのだと実感しました。
そして、自己肯定感というバトンをつなぐのは親となった私たちの役目であると感じました。