時間管理術バイブル 書評 - マニャーナの法則 明日できることを今日やるな

シゴタノ!の読書塾でいただいた本。
ゴールデンウィーク明けの仕事に追われる自分から脱却するための時間管理術を身につけるのは今からでも遅くない。

目次

 第1章 まず脳の特性を知っておこう

 第2章 仕事のシステムをつくる7つの原則

 第3章 「効率」はあなたの創造力と整理にかかっている!

 第4章 あなたのタイム・マネジメントは間違っている?

 第5章 忙しいだけの仕事は捨てよう

 第6章 緊急の仕事を見分けよう

 第7章 最強のマネジメント・ツール「クローズ・リスト」

 第8章 究極の仕事術「マニャーナの法則」

 第9章 タスク・ダイアリーを使ってみよう

第10章 自主的な仕事は「ファースト・タスク」にする

第11章 「WILL DOリスト」vs「TO DOリスト」

第12章 その日の仕事を終わらせよう

第13章 「ぐずぐず先送り」はこれで防止

第14章 プロジェクトにはこう対処する

第15章 システムを機能させよう



 本書「マニャーナの法則 明日できることを今日やるな」は、フタコト目には「忙しい!」と言ってしまう、時間・仕事・上司の催促に日々ケツをつつかれている人向けの、タイムマネジメントを根本から考え直すための1冊。

本書で証明されている「忙しい」の3つの要因
  1. 時間がない
  2. 効率が悪い
  3. 仕事を抱えすぎている
であり、この3つはそれぞれに作用し、悪循環を生み出すことが多々ある。

どんなに完璧なTODOリストを作っても、予定通りに終わった試しがなかった私も、今までの仕事に関する仕組みが間違っていたことを認めざるを得なかった。

TODOリストの最大の欠点は、リストアップした項目の「緊急度」の軸がすっぽり抜け落ちてしまっていることだった。本書ではTODOよりも緊急度の高い項目をWILL DOとしてリストアップし、「本当に今(今日中に)片付けなければならない」項目を書き出し、明日でもよいことは思いきり明日に回すことで、時限爆弾を1つずつ解除するようにデッドラインを超えない仕組みを作り上げる。
ここで明日に回した仕事は、「必ず明日やる」ように計画しておくことが大切。
裏を返すと、今日やる仕事も昨日以前に計画したものであることが理想。
 WILL DO/TODOの使い分けで、仕事を抱えすぎる問題を解消した後は、効率の悪さを減らす工夫をする。

仕事を抱えすぎる問題を解消する「クローズ・リスト」


第7章 最強のマネジメント・ツール「クローズ・リスト」
favicon あすなろBLOG : タスクリストはクローズ型で
One of the problems with any time management system is that there is a tendency for the list of actions to expand until it becomes too large to be handled.
 つまり、タスクリストというシステムは、手に負えないほど巨大になって破綻しやすい、ということです。

 TODOリストは次々に仕事というタスクを積み上げていくことのできるオープン・リストであるため、際限なしにあれもこれも追加していくといつまで経っても終わるはずがない。
ここに、緊急度とフタを取り付けるのがWILL DOリスト。
 TODOリストの中から「今日やる」仕事を抜き出す。プライオリティの高いものは、上に書き出すと視覚的にも分かりやすくなる。そうして書き出したリストの下に線を引いて「ここまで」を設定する。
追加の「今日やる」仕事ができてしまった場合は、「ここまで」の下に追加していく。

仕効率の悪さを減らす「ファースト・タスク」


第10章 自主的な仕事は「ファースト・タスク」にする
佐々木正悟のライフハックス心理学 : タスクシュートの使い方【ファーストタスク】
 「どうしてもやりたいことは、すべての仕事を開始する前にやること。仕事でもなく、家族からの頼まれごとではない、純粋に自分がやりたいだけのことをやれるのは、このときをおいてなく、しかも、一つしかできない」

 ちょっと一服の前に始めることがその日の仕事の「とっかかり」を作るきっかけであり、その後の時間をより有効に活用できるというのが、「ファースト・タスク」となる。ファースト・タスクでは、とりあえず始めて「やりかけの状態」を作ってしまうことを目的としています。人間の心理として、始めてしまった事はその後中断しても再開しやすくなることを狙っての1つの仕組みです。


持論ですが、今日の予定に追われている限り、明日がラクになることはない。ということです。
やるべきことを整理し、与えられた時間の中で仕事をこなす。そして明日の予定を立てて明日に備える。
仕事が多すぎる、時間が少なすぎる、効率が上がらない、のはあなたの時間管理への意識とスキルが足りないからかもしれません。

 DIY(Do It Yourself)ならぬ、DIT(Do It Tomorrow)を実践して自分の時間を完全にコントロールする力を身につけることが本書の目的であり、あなたが取り組むべきWILL DO(必ずやること)なのだ。

連休明けからぜひ実践してみてはどうでしょうか。