読書の良さは「ステマ」する -書評- 本を読む子に育てよう

問題:子どもが本を読むようになるにはどうすればいいのでしょう。
本の良さを伝える必要がある。
しかし、あくまで、水面下で。本人が気づかないように。
目次
- 第1章 読書はいい人間関係のもとをつくる
- 第2章 読書好きになる環境をつくるにはどうすればいいか
- 第3章 読書は「考える力」を育てる
- 第4章 読書はどう習慣づけたらいいのだろう
- 第5章 読書で想像力がグンと広がる
- 第6章 子どもにどんな本を読ませたらいい?
する:「親も本を読む」「一緒に図書館にいく」「おもしろかった本の話をする」
親も本を読む
「子は親の鏡」「父の背中を見て育つ」などといわれるように、子どもはよく親の行動を見ています。
親がしないことを子にさせようとするのは、虫が良すぎますね。親も読書をしませう。
一緒に図書館にいく
どんな本が好きなのか?それは子ども自身に判断させてみるのもひとつの手。
図書館には、書店には置いていない絶版本もあるし、親が子供の頃に読んでいた本も置いてあります。図書館は静かで読み聞かせできるスペースなども設けられている場合もあるので、活用したいですね。
おもしろかった本の話をする
おもしろかった部分を親子で話すことで、子どもとのコミュニケーションもとれるし、この本のこの部分がおもしろいのか、という気づきも得ることができ、次の本選びの参考にもなります。
しない:「強要しない」「感想を求めない」「批評しない」
強要しない
あからさまに本を読むことを押し付けてしまうことをタブーとしています。本嫌いや、本が苦手になってしまう原因にもなり得るので注意が必要ですね。
感想を求めない
意外でした。
「お父さんはこの本がおもしろかったよ」と話すのは良しとしても、「この本のどこがおもしろかった?」と質問するのはよろしくない。
それは、読んだ本の内容を子どもが頭の中で、繰り返し、想い返していたり、想像の世界を楽しんでいる際中かもしれないからだそうです。
自分の中で消化しきれていない部分を「どこがおもしろかった?」という質問により、消化不良の感想を求められることはもったいないことだ、という内容でした。なるほど。
「おもしろかった本の話をする」では、これまで読んだ本の中から選択できる自由があります。
批評しない
これは、いわずもがなですね。
まとめ
本の内容が自分を通過することで、楽しいや悲しい、おもしろい、おそろしいといった感性が刺激されることを「体感してもらう」ことが大事であることがわかりました。
物語であれば、登場人物の目線になってページをめくることで、客観的に物事を考えることができます。キャラクターを俯瞰し、その世界観を鳥瞰するようになれば、世界がどんどん広がって見えて、楽しみの幅もぐっと広がりをみせます。
親はつい、「本を読ませる」ことをゴールにしがちですが、本を読む前と、読んだ後の変化を子ども自身が感じ取れるようになれば、読書はおのずと習慣になっていくのでしょう。
早いもので、私の息子ももうすぐ3歳です。
身長90cmほどの、小さな体から、太陽のようにエネルギーを発散し続けるさまに驚き、そしてときに嘆き...。まさに驚嘆です(笑)
iPhone、iPadなどのデジタルデバイスを祖父母よりも巧みに使いだした今だからこそ、紙媒体の本をよんでほしいという思いがあります。
紙をめくる感覚、活字のみで描かれる世界観、読後に脳内で再生される空想。
こんな楽しさがあるんだよ、と直接伝えてしまうのは、一種の強要にあたりそうなので、上記の「する」「しない」を実践しつつ、伝えていきたいとおもいます。
本書は、「読書の栄養価」を十二分に知っている人が、知らない人に、それを伝えるための方策が盛りだくさんで大変美味しゅうございました。