宝本２冊　書評 - ウェブ時代 5つの定理/読書成功術

「紙」という媒体に叡智を凝集したら「本」となる。
その「本」の叡智の濃度を高めていくと「宝本」になると思う。

そしてこの２冊はそんな「宝本」であった。

「ウェブ時代 5つの定理」は、梅田さんが今までの偉人の発言の中から感銘を受けたものをセレクトし、それを1冊の本にまとめている、いわば「値千金の名言集」

いっぽうの「読書成功術」は、アマゾンのトップバイヤーとして第一線で活躍した著者が、新しい書籍に埋もれて忘れ去られそうになった「名著」をサルベージして、紹介している「値千金の名著集」だ。

両書に共通するのは、叡智をまとめた本であること。

ビジネス書の書評を１つずつ紹介するより、「２００９年に読んでおきたいビジネス書１０冊」のほうが被ブックマーク率が高いように、まとめの価値はでかい。

なぜ、「まとめ本」の価値が高いのか？

それは、両著者がそれぞれの本で、つたえたい事を集めるまでにつぎ込んだ「時間」が多いからであり、まとめ１つで「選ばれた１０冊のビジネス書」の価値を包含しているからだ。

「ウェブ時代 5つの定理」は、過去の厖大な資料の中から選りすぐりの金言を紹介し、
「読書成功術」も、これまでに読んだ10,000冊以上もの蔵書の中から選りすぐりの30冊を紹介している。

どちらも、これまで費やされた時間の「おいしいところ」を享受でき、大先輩らの言葉に勇気づけられる。１冊で２度も３度もたのしめた。