1日2%で3日坊主とさようなら -書評- 「1日30分」を続けなさい!
「勉強しなくていいです。」
強烈な書き出しで始まる。
1日30分というのは、もちろん毎日勉強する時間のことだが、勉強したくないなら、しなくて結構。
16歳以上なら、義務教育も終わっているし、そもそも「動機なき勉強」が「毎日」続けられるわけがないからである。
そう、勉強とは動機とセットで初めて成立するものだ。
勉強は目的ではなく、あくまで目的を実現するための手段。
これを勘違いしていると、本書の書き出しで門前払いされてしまう。
本書、「「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55」は、毎日少ない時間でも、継続するということにどれだけのパワーがあるかを説くとともに、「無理」や「思いつき」の勉強法がどれだけ無意味かも説く、ハウツーにしてはぴりりと辛い一冊だ。
- 第1章 人生は勉強した者が勝つ
- 第2章 勉強時間を捻出する方法
- 第3章 勉強に集中する方法
- 第4章 短期集中型・長期計画型の勉強法
- 第5章 本気の人のための英語勉強法
- 第6章 勉強を成功させるための目標設定方法
- 第7章 勉強効率アップのための食事・睡眠す
- 第8章 勉強効率アップのためのツール
本書では「1日30分」のコツを教える前に、「勉強が目的」の人たちをスクリーニングしている。そして、改めて明確な目的をもった人には、その目的が実るように「1日30分」を続けるノウハウを教えてくれる。
「1日30分」を続けなさい!「1日30分」自己投資―古市の能力開発―
「中卒、高卒、二流・三流大学卒のハンディは、継続的に勉強をすれば簡単に克服できる」
「アクションは早いが、継続が苦手。」な私にはぴったりだ。
なぜ、30分なのか?
- 1.リソースが限られる
- 1日は24時間。そこから睡眠時間、食事、入浴、仕事、それぞれの時間を差し引いていくと、個人差はあれど、残り時間はあまりない。毎日となると、2、3時間という数字は現実的ではない。
- 2.集中力の持続時間
- 頑張れば集中できる時間。ではダメ。
明日も明後日も続けるために、30分というのは毎日続けても苦にならない集中時間といえる。 - 3.日常生活に組み込みやすい
- 30分は、1日24時間のうちの2%弱だ。たった2%だからこそ、寝る間も惜しむこともないし、お風呂や歯磨きをするように、そっと生活のサイクルにはめ込んでしまおう。それが著者の提唱する仕組みだ。
「やってやる!」
いきりたっていると、2時間でも3時間でも勉強できるかもしれない。
が、この「やってやる!」という一時的な感情が厄介。モチベーションは薬にも毒にもなる。「継続する」という点において、それは毒なのかもしれない。
勝間和代「課題克服仕事論」 | キャリワカ:仕事術 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉
「無理ですよ。やる気だけで何とかなるのは3日くらいですかね。だから、モチベーションではなく、仕組みのほうを作るという事をずっと推奨してるんです」
浮き沈みのあるモチベーション頼みより、「やって当然」の仕組みを作るほうがより確実である。これまで、私も「モチベーション=原動力」という意識が強かったため、モチベーション至上主義だったが、走り出すための燃料にモチベーションを使ったとしても、走り続けるためには、仕組み・慣習化が不可欠であること。モチベーションは役に立たない。ということを肝に銘じておこう。
続けたいなら頑張るな。