自らを複利運用 書評 - 無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法

複利運用って自分にも使えるんだ。
いや、自分に使うのが一番正しい運用法なのだと気づかせてくれた本。

1つ後悔したのが、本書の発売当初に読んでおくべきだった。
早く読んで、早く実行に移せた人ほど、複利の恩恵に授かれるのだから。
本書「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」の著者は、ベストセラージェネレーターの勝間和代さん。2003年12月発行の マッキンゼー 組織の進化 自立する個人と開かれた組織 から最新刊 会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く まで、6年足らずで20冊もリリースしている。
この驚異的なスピードも本書でいう
  1. 「インプットの高速化」
  2. 「隙間時間の有効活用」
  3. 「モチベーションを保つ仕組み」
を勝間さん本人が実践しているからだろう。

本書のもっともスゴいところは
本当に効率的で合理的で楽ちんで、目から鱗の勉強法
そう、効率的で合理的だけを教える勉強本なら本書以外にもごまんと存在するだろう。
努力論・根性論には頼らない「人間は目の前の怠惰に流される」という理(ことわり)を誰よりも理解している著者だからこそ辿り着けた「楽ちん」なのだ。

p.123
いろいろなスキルをつける前に、勉強の基礎力をつけるわけです。
いちばんもったいないのが、勉強量は多いのにそれが身についていない人です。

有限である時間を上手に使うには基礎力の習得が1番大事であると説く。
そして有限である時間にあせりを感じだしたところに次の一文。

p.124
まちがっても、努力に頼ってはいけません。一時間早く起きて頑張ろうというのはやめましょう。

睡眠時間を削って時間を作るというのは「無理なく続けられる」に反する行為なのである。

では、どうするか?

それは目と耳のフル活用勉強法。
インプットを高速化することで、今まで1時間かかっていたことを30分で済ませるようにする。そのためには月収の5%~10%は自己投資に回せと付け加えられている。
それも自らを複利運用するための「楽ちん」を実践するインフラを整えるためである。

本書のおすすめポイントは、「楽して続けるためにどうすればよいか?」が明確に記述されているところ。
私自身も、基礎力を上げるために速読を意識的に行ってみたり、仕事の昼休みや寝る前の少しの隙間時間を今まで以上に有効活用している。

自分に投資する、成果を上げる、リターンを得る。

そのためには、勉強の基礎力モチベーションを維持する仕組み。そしてそのどちらも本書には書かれている。
自分を複利運用しようと思うなら本書は欠かせない1冊だろう。