All in One - 書評 - 情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」
スケジュールを記録する。
自分の予定ををばっちり管理できるようになりたくて、システム手帳を手に入れた。
完璧にスケジュールを考えていると、3日と持たず、書き込むことが苦になった。
日々の出費を書き留めておく。
無駄な出費を抑え、貯金を計画的におこなおうと、家計簿を手に入れた。
固定費・変動費・食費・交際費・交通費...お金を使ったことを思い出す時間と、使ったもののカテゴリーを決める時間ばかりに疲れ、何度も挫折。
欲しいものをメモしておく。
いつか買おう。そう思って携帯電話に「欲しいものリスト」をメールで送ってみたり、紙切れに書き写して財布に入れておいた。
後で見返そうとしたときに、メールが勝手に消えてしまっていたり、紙切れをレシートと一緒に捨ててしまったり、そのこと自体を忘れてしまっていたりで、使い物にならないことが多々あった。
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でも、これからは全て1本にまとめてみることにしました。
予定も、出費の記録も、欲しいものも。
今は、1冊のノートを見れば分かります。
目次 |
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第1章 複雑なのは続かない、使えない 第2章 情報を一元化する技術 第3章 予定と記録を一元化する「時間管理術」 第4章 ネタになる断片メモの「保存法」 第5章 メモを宝に変える「アイデア術」 第6章 分類せず一発検索する |
本書、「情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 」は、わたしのように、分類・整理してみたものの、「書きっぱなし」「まとめっぱなし」で終わってしまっている人でもできる、無理のない仕組み、「情報の一元管理術」である。
一家に一台、否、一人に一台というくらいパソコンの普及が進んでいるこの時代に、あえてローテクの代名詞とも言える「紙とペン」を使った情報管理術が良いと思えたのか。それは、わたしが実際1ヶ月間続けてみた結果、パソコンでは成し得ない利点があることに気づいたからに他ならない。
著者もかつてはパソコンで情報を管理していたことがあったと語り、その上で「パソコンのデータは必ず消えます。」とまで断言する。
それは、パソコンがどんなに性能を上げようが、電気と、機械の鎖からはまだ解放されていないから。電気が無ければ動かない。機械であるがゆえに故障は必ず訪れる。
紙とペンは、ただそこに「在る」だけで、使用可という強みがある。
そして著者の推奨するA6版ノートは、携帯性においてだけではなく、実用性とコストの面でも特に優れていると実感した。
まずは携帯性だが、A6というと、文庫本と同じサイズで、手のひらに収まるので、収納する場所に困ることはまずないといってよい。
実用性というのは、ノートを開いて実際に書き込むときの「易しさ」だ。
携帯性を損なうことなく、それでいて、書き易い大きさ、それがA6だと著者は言っているが、実際に使っていてわたしもそう感じた。1ページに、ある程度の情報量を書き込めるスペースがなければ、後で見返すときに、苦労するからだ。
そして、コスト。これは言わずもがな、だろう。
著者は100円ノートで、と言っていたが、わたしは近くの100円均一で3冊1セットのA6ノートを購入したくらいだ。
これが、2~3000円もするシステム手帳だと、書き込むときに「大胆さ」にブレーキがかかって「こんなことは書くまでも無い」と思いだしてしまう。
わたしもノート一元管理を始めてから、なんでもかんでも書きまくっている。
フォーマットはまったく意識していないが、日付は6桁で書くことと、一件書き込むごとに、区切り線を入れることだけは徹底してやっている。
日付と、区切り線だけでは不安だと思われる方もいるかもしれないが、日付と区切り線しか決まりをつけていないので、煩雑なカテゴリ分けにうんざりすることもないし、書きたいことだけをシンプルに書ける、という2点において、初心者はここから始めることを強くお薦めする。
そして、これまた始めてみなければ気づけなかったであろう使い方として、「レシピ」がある。
テレビや新聞、雑誌で目にした簡単レシピをぱっとノートに書きとめる。
先日メモしたレシピに「ニンジンともやしのナムル」というのがあったので、原文のまま載せてみる。
・ニンジンともやしのナムル
1.ボウルにニンジン(千切り)、もやしを入れ、ラップで4分
2.1の水気をきって、[ゴマ油、すりゴマ(大1)、レモン、塩(小2/3)。おろしニンニク]
雑誌や新聞に載っているレシピは、言葉を丁寧に使っているので、自分で覚えるぶんには、上記くらいの情報で十分だ。実際に料理をするときは、ノートを広げ、見ながら調理できるので、使いまわしも良い。
1冊のノートに、すべての情報をまとめるということで、「そこを探せば必ず見つかる」という安心感を得るとともに、ちょっとしたことでもメモしておくことで、「あれ何だったかな?」という不安感を払拭できるという2つの点において、優れている。